カチ…カチ…時計の音だけが冷たく響く。 静まり返った部屋に、そっと忍び込む柔らかい気配。 ふと鼻先をくすぐるのは、洗い立ての柔軟剤…じゃない。 それは、彼女が隠していた“過去”の匂いだった。
夢乃あいか。 妻でありながら、今この瞬間は“女”のまなざしで俺を見つめている。 制服の襟元を指先で軽くなぞり、カチッ…とボタンが外れる音。 その一瞬一瞬が、胸の奥をズキンと揺らす。
「これは、思い出じゃない。今この瞬間がすべてだ。」
腰のラインがふわりと浮かび、視線がじりじりと焼き付く。 じわ…っと首筋を伝う汗が鎖骨に溜まり、 スーッと谷間に消えていく様を、息をのんで見守るしかない。
5年ぶりに抱く妻の体温が、 あの頃よりも深く、俺の心に沈んでくる。 「見てていいよ」――無言でそう命じられているような圧。
制服の“音”が、心の奥をかき乱す。
ぴと…と指先が太ももに触れる。 ぷるん…と小さく揺れる胸元。 ガタッ…と立ち上がった瞬間、 その姿に思わず息を呑む。 「今、俺を試してるんか?」そんな錯覚すら覚える。
彼女の視線が、俺の中の理性をひとつずつ剥がしていく。 言葉なんていらない。 目の奥が「まだ足りない」と叫んでいる。
「性欲だけじゃない。この映像には、“心の余白”がある。」
画面越しに流れる彼女の呼吸音。 ごくん、と喉が鳴るたび、 まるで隣にいるかのような臨場感。 疲れた心の奥に、静かに温もりがしみ込んでくる。
「俺、忘れてた。人の体温ってこんなにやさしいんやな。」
AVはただの刺激装置? いや、この作品はそれ以上だ。 過去と今、理性と欲望、 その間を漂う“生の感情”が映し出されている。
視線、吐息、汗の粒―― すべてが、俺の孤独をやさしくほぐしていく。
▼ 今夜、ひとりじゃないと思える映像がここにある。
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